TCHによって引き起こされる筋肉の活動を自分で知る方法

 TCHがあるとあごの筋肉がはたらくと言いました.そのことをご自分で確かめることができます.その方法をお話しします.

 先ず片手を顔の横に持ち上げ,手のひらを前に向けてください.その状態で親指を横に伸ばしてください.その親指を顔の横側にある下あごの角の部分に押し当ててください.親指でその角の筋肉を横から押さえる形になります.そのまま,今度は上に向かって伸びている人差し指を,眉毛の横上で筋肉がある部分に押し当ててください.形としては親指と人差し指とでローマ字のLの形にして,下の左写真のように,それぞれの指が筋肉を押していることになります.実際に触っているのは,右の図にある咬筋の下のはじと,側頭筋の前のへりになります.こうしておいて上下の歯でかむ,はなすと数秒間ずつ繰り返してください.この方法によって,歯をかむと筋肉が硬くなり,歯をはなすと柔らかくなることが感じられたと思います.これは何を感じているのかというと,歯をはなしているときは筋肉が休んでおり,歯をつけると筋肉が活動して収縮し硬くなったことを指で感じていることになるのです.分かりにくいようでしたら,初めは強くかみ,はなすことで筋肉の変化をはっきりと感じてください.その感覚に慣れたなら,今度は弱い力で歯を触らせたり離したりしてください.歯が触っただけでも筋肉が活動を開始することが分かったと思います.ということは,いままで説明してきたように,上下の歯が触っただけでも筋肉が活動するのです.ですから触ったままで長時間続けば筋肉は疲れるはずですし,この両方の筋肉が働くと,顎関節では関節の軸が上後方に押しつけられることになるので,摩擦が強まったり,血液循環が悪くなり,顎関節症が発生しやすくなるというわけです.